石岡地方の昔話                         

・無駄骨弥兵衛のはなし

 むかし、府中に生活は貧しかったが、ここの真っ直ぐな弥兵衛という百姓が住んでいた。あるとき、近くの村に気の毒な父子がいることを知った弥兵衛は、その家に出掛け理由を聞いたところ、弥兵衛の真剣な様子にボツボツとわけを話してくれた。その話によると、今日の夕刻までに金子若干を用意しなければ首を斬られてしまうというのである。驚いた弥兵衛は親類や知人のところを駆けずり回って、やっとのことで金子を集め大急ぎでその父子の家に駆けつけたところ、すでに処刑された後であった。悲しみにくれた弥兵衛は、その父と子の屍をねんごろに葬った。この義侠心ある弥兵衛の話が四方に知れ渡り、村人達は弥兵衛のことを「無駄骨弥兵衛」というようになったとのことである。

   石岡の昔ばなし 仲田安夫著 ふるさと文庫 (1979年)
石岡の歴史   石岡市史編さん委員会   (1984年)
石岡の歴史と文化 石岡市歴史ボランティアの会 (1996年)

 

Home