▼隠沢観音(かくれざわかんのん)▼ 笠間市(岩間)泉915

歴史の里石岡ロマン紀行


 筑波山、加波山、吾国山、難台山、愛宕山と連なる筑波連峰の一番先端に鐘転山(かねころばしやま)(標高218m)というちょっと変った名前の小さな山がある。この山の麓に古くから子授け、子育てに霊験のある観音様を祀る嶽南山・慈眼院清竜寺がある。隣りの愛宕山に比べ訪れる人もほとんどなく、時々鐘転山登山に立ち寄る人がいるくらいである。また手入れもあまりされていないため寂しい感じは否めない。この山を越えた向こう側は石岡の真家地区である。

(2009.11.5 撮影)

岩間町指定文化財「隠沢観世音」 (昭和48年5月29日指定)

1.名称 嶽南山慈眼院清滝寺本堂及び十一面観世音菩薩木像1基
2.由緒 隠沢観音
 當山は嶽南慈眼院清滝寺と号し、平安の昔 養老4年(720)の開創にして、後行基菩薩の一刀三拝の作と伝えられる十一面観音像を奉安してある。本寺は土浦土屋初代藩主数直侯の遺志を継承した二代政直侯が、堂平より現位置に移転改築したもので、本堂、客殿、二階建の庫裡黒門と輪舘奐の美を整え、延宝9年(1681)10月14日完成、本堂内に御本尊を奉納した。当寺は土浦藩主の御祈願所として格別の庇護を受け、年々石高にして十石が寄進され保護されていた。縁日は毎年十日、特に12月10日は師走十日、七月十日は朝観音と並び称し参拝客で賑わい、安産、子育、諸願成就すべての願望が達せられるとして一般大衆の信仰を集めていた。

岩間町教育委員会(現地看板)

入口付近(泉地区)道路脇に建つ「二十三夜尊」の石碑と鐘転山

本堂入口石段(少し古くなっている)

 
      

本堂

本堂は無人。入口には古よりの額や画が掛けられている。

 
 ご本尊の十一面観世音(木像):7月10日、12月10日のお参りは「朝観音」といわれ、この日にお参りすると4万6千日(しまんろくせんにち)お参りしたことになるといわれたという。浅草のほうずき市(7/9,10)観音様詣りと同じです。米1升が46000粒あり、一生食べ物に困らないとか、四六時中x千日詣りを掛け合わせたとも言い伝えられています。

  

入口に掛けられた陶器製?の額。西洋からのものか?

ここ隠沢観音は鐘転山の登山道入口となっている。ハイカーはここに車をおいて、鐘転山より難台山などを往復するようだ。多くのハイカーも愛宕山から難台山-吾国山へ行くようで、鐘転山に足を伸ばさないのかもしれない。